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2026.01.05
企業インタビューシリーズ -Sakana AI- 日本のAI産業をリードする、フロンティアAIラボの使命
―お話を伺った方Sakana AI株式会社リサーチエンジニア E氏 ―会社概要Sakana AIは、2023年にデイビッド・ハ(CEO)、ライオン・ジョーンズ(CTO)、伊藤 錬(COO)によって設立された東京拠点の研究開発企業です。日本最速のユニコーン企業で、世界水準でも最先端のAI関連技術を生み出し、AI研究の最前線を切り拓いています。 「フロンティアAIラボ」としての使命 ―Sakana AIについて教えてください。 Sakana AIは国内で設立されたフロンティアAIラボです。当社が掲げていることは大きく2つあり、1つ目は、AI開発国として日本のポジションを確立することです。現在AI産業はアメリカと中国がけん引していますが、経済力がある日本でも研究力と競争力を持ったラボを作りたいと考えています。そして2つ目はそれに付随して、人材の育成、それに伴う産業の成長を後押しすることです。 ─日本のAI産業は他国と比較して遅れている、という印象でしょうか。また、その理由についてどのようにお考えですか。 これは私個人の見解になってしまうのですが、日本が大きく遅れているというよりは、アメリカと中国の成長速度が著しく速いという印象です。日本のAI産業が世界で戦えていない理由で特に大きいのが人材不足であると考えています。人材がいるから産業が生まれ、産業があるからチャンスが生まれ、そして人材が成長していく、という好循環に日本はまだ入りきれていないと感じています。 ーAI産業の発展に向けて、国や政府に期待することはありますか。 経済産業省とNEDOが取り組んでいるGENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)(※1)というプロジェクトがあり、本プロジェクトには非常に大きな後押しをいただきました。当社はAI人材を抱えているという強みがあるので、国の支援も受けながら共にAI産業の発展に貢献していければと考えています。 (※1)GENIAC:基盤モデルの開発に必要な計算資源の調達、データセットの蓄積、ナレッジの共有等の支援、生成AIの社会実装を促進等に取り組むプロジェクト ー少数精鋭で運営されている印象ですが、人材を確保していくうえでどのような方針を掲げていますか。 立ち上げ当初は少数で運営されており少数精鋭という印象があるかもしれませんが、2025年初頭にはAppliedチーム(事業開発本部)を始動し、積極的に人材の採用を進めています。Appliedチームでは、すでに国内外の主要パートナーとの連携が始まり、業界の業務プロセスを大きく変えることを目指すプロジェクトが次々と立ち上がっています。創業者のデイビッド(CEO)やライオン(CTO)のような業界における著名人がいることで優秀な人材が集まりやすいのは強みだと思っています。 ─さまざまなプロジェクトがあるかと思いますが、どのように運営されていますか。 大きく二つのチームに分かれています。一つ目は生成AI技術の研究開発を行うResearchチーム、そして二つ目は、最先端の生成AIやAIエージェント技術を駆使し、日本の最重要課題の解決に長期的な視点を持って取り組むAppliedチームです。この両チームが互いに協力し合いながら、プロジェクトに取り組んでいます。 ─貴社は日本語モデルのAI開発が特徴ですが、AI開発において日本語という言語特有の難しさはありますか 日本語のニュアンスを含めた開発は、日本の文化や言語を深く理解している人にしかできないと思います。 日本はハイコンテキストな文化で、言葉を省略したり、文脈で判断したりする傾向が他の文化に比べて高いと考えています。この暗黙知や文化的背景を汲み取ったAI開発は、日本の会社だからこそできることだと考えています。 「GMO GPUクラウド」の採用の背景 ─E氏の役割について教えてください。 肩書はリサーチエンジニアです。計算機インフラの構築・運用・管理をしています。具体的には、いわゆるHPCのスタックで必要となるドライバーのインストールやライブラリの管理などをしています。また当社で研究開発している小規模モデル・大規模モデルの学習や評価を行っています。 ─AI開発インフラに「GMO GPUクラウド」をお選びいただいた理由を教えてください NVIDIA様からご紹介いただいたことがきっかけでした。その後トライアル利用期間を経て、3つの良さを実感したことが決め手でした。 1つ目は、大規模分散学習に必要なソフトウェアスタックが完璧に揃っていた点です。高速ストレージ、高帯域インターコネクトに加え、NCCL、CUDA、cuDNN、HPC-X(※2)など、AI開発に必要なライブラリ群が多様なバージョンで用意されており、環境構築の手間なく即利用が可能でした。 2つ目は、迅速かつ手厚い技術サポート体制です。迅速な対応により、アイドル時間を最小化し、研究開発の継続性を担保することができています。サポートチームも日本国内にあるということで時差がなくご対応いただけるのも非常に助かっているポイントです。3つ目は、高度なモニタリング環境GPUサーバーの稼働状況・温度・消費電力をリアルタイムで可視化するGrafanaダッシュボードが利用可能で、学習効率を常時把握・最適化できたことです。計算リソースを最大限に活用できる開発体制を実現できました。 また、見過ごしがちなのが環境構築期間にかかってしまう費用です。例えば、環境構築に2週間かかったら、その期間はコストロスです。ソフトウェアスタックが揃っておらず、自分たちで構築するのに時間がかかりすぎて学習効率が10%下がったとします。すると、10ヶ月借りても実質1ヶ月分は無駄になるわけです。「GMO GPUクラウド」は、こういった無駄なコストが発生しないことを確証できている点も、採用理由として非常に大きいです。 (※2)記載されている製品名等は各社の登録商標あるいは商標です。 ─海外や国内の他サービスとの違いを教えてください。 ベアメタルを提供されているベンダーさんは使いやすい一方で、構築コストやソフトウェアのアップデートなど対応コストがかかるという面もあります。また海外のクラウドにて日本以外のリージョンの計算資源にアクセスする場合は、レイテンシが高くログインやコマンド実行に時間がかかったり、安全性の観点でより慎重なデータの取り扱いが求められたりします。日本国内の会社同士だからこそ、計算資源の確保・割当を迅速にできるのも開発スピードを担保するうえで強みだと思っています。ソフトウェアスタック自体に大差は出にくいのですが、データの安全性や機密性、計算資源が確保しやすいことは国内ベンダーならではの優位性だと考えています。また、ベンダーさんによってはGPUに共有されるワット数が制限されている場合があり、計算効率が下がり、結果的にコスト効率が悪化するということがあります。しかし、「GMO GPUクラウド」では、ワット数も十分に担保されているため、電力効率を維持して開発ができているので助かっています。 ─国内にある計算基盤の価値についてどうお考えですか。 非常に重要だと考えています。理由は2つあります。 1つ目は、データの安全性と機密性です。データの機密性が重要になる領域では、国内でしかデータを扱えないという要件があります。海外のクラウドベンダーでは、この要件を満たせない場合があり、その場合に国内計算基盤の重要性が高まります。 2つ目は、GPUの確保のしやすさです。海外のクラウドベンダーは多くの企業が利用しているため、GPUが確保できないことがよくあります。日本国内にあり、日本の会社同士だからこそ、迅速にGPUを確保でき、協力していける。これは開発スピードの面で大きな強みです。 ─2025年度中に次世代の「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」を搭載した「NVIDIA HGX B300」のクラウドサービスの提供を予定しています。次世代GPUについてはどのようにお考えですか。 2、3年後にはBlackwellがAI・LLMの学習で使用されるGPUのデファクトスタンダードとなる可能性も非常に高いと考えており、弊社もBlackwellの使用を視野に入れています。Blackwellの利用も早期に開始し、知見を社内で溜められると良いと考えています。 ─「GMO GPUクラウド」の今後に期待いただいていることがあれば教えてください。 今回のプロジェクトを通じて、「GMO GPUクラウド」は間違いないクラウドサービスであることを確信しました。他の企業が今後モデル開発する際にも、第一候補として上がる会社になると思います。 AIにおいて、安全保障も関わる中、インフラは本当に非常に大切です。GMOインターネットさんのような会社が日本のAIインフラを担ってくださることは素晴らしいことだと思いますし、今後も協力しながら日本のAIインフラの担い手として一緒に頑張っていけたら嬉しいです。 以上 編集部のひとりごと 今回のインタビューは、虎ノ門にある Sakana AI様のオフィスで行わせていただきました。 オフィスフロアに入ると、木の温もりを感じる内装が広がり、ガラス張りで開放感のある執務スペース、座れる階段、巨大なジェンガのようなおもちゃが置かれたフリースペースなど、まるで海外のオフィスを訪れたかのような雰囲気が漂っていました。 ミーティングルームの名前もユニークで、全体的に画一的な印象がなく、創造性を刺激する空間になっていると感じました。 このような場所で、日本のAIの新しい礎が築かれているのだと実感した訪問でした。
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